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ダンスコンテストの優勝を目指す

冒頭でビー・ジーズの曲

「サタデー・ナイト・フィーバー」の冒頭は、ビー・ジーズの曲「ステイン・アライブ(Stayin' Alive)」とともに始まる。

土曜日の午後、19歳の若者がブルックリンを歩いている。主人公トニー(トラボルタ)である。女の子とすれ違うと振り向いたり、追いかけたり落ち着きがない。勤め先の塗料店へ帰る途中なのだが、念頭にはおしゃれと今夜のディスコだけ。



イタリア系移民の食卓

トニーの家が映しだされる。家族の食事風景がイタリア的というか日本的というか。父親が失業中のこともあって、口論が絶えない。食卓に連なる、おばあちゃんの表情が実にいい。

夜、めかしこんだトニーは仲間と例によってディスコへ。ここでの彼は、“ブルックリンのアステア”と称されるダンスのヒーローである。踊っている男女の中にステファニー(カレン・ゴーニー)を見つけたトニーの目が光る。さしずめ「できる!」といったところ。彼女と組めばコンテストの優勝は間違いない。

ブルックリンとマンハッタン以上の隔たり

ところがステファニーは、お高くとまっている。年上ということもあるのだが、真偽はともかくマンハッタンのオフィスに勤めていて、飲み物は紅茶、お客さまはローレンス・オリビエとくる。トニーとはブルックリンとマンハッタン以上の隔たりがある。

そんな2人がダンスという一点で結び付いて、やがてはコンテストに出ることになるのだが…。

トニーのダンスシーン

見せ場は、トニー(トラボルタ)のディスコでのダンスシーン。いまなお新鮮で繰り返し見ても飽きない。

ほかにもトニーのお兄ちゃんが聖職を離れるエピソードや、バラクーダなるチンピラ一味との抗争場面などを織り込み、ドラマはテンポよく進む。

作品の中で象徴的な役割を果たしているのは橋。とりわけブルックリンとスタテン島を結ぶベラザノナローズ橋は再々、登場する。